前回のブログでは、クロスメディアとは何なのかとそのメリットをお伝えしました。今回は、クロスメディア戦略を立てるために知っておくべき媒体の特性と組み合わせ方の例をお伝えします。

メディア別の特徴

クロスメディア戦略を行うためには、組み合わせる媒体の種類とそれぞれの長所・短所を知っておくことが必要です。

現在のクロスメディア戦略のトレンドは、いかにインターネットと他の媒体を組み合わせるかを主眼に置いて設計することが多いです。組み合わせ方によって効果は大きく変わってくるので、しっかりとメディア毎に長所・短所を理解しておきましょう。

1.  4マス広告

4マス広告とは、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌の4つのメディア広告のことを指します。

マス広告の長所は、広い層に対して一気にリーチできることと、公共の電波で流すので信頼性が高まるということです。どのメディアも全国区のものと地方のものがあり、商圏に応じて使い分けを考えます。

2.  紙媒体

紙媒体には、チラシやDM、パンフレットなど印刷物の広告媒体が挙げられます。これらは単なる広告素材であるため、「どのようなシーンで利用するのか」「どのようにして届けるのか」が重要となり、それによってコストも変わります。

例えば、チラシは新聞折込やポスティング、街頭手配りなどによる認知訴求が目的であることに対して、DMや資料送付は、名前と住所を知っている人に営業することを目的に使われます。

3.  OOH

OOHとは「アウト・オブ・ホーム(Out Of Home)」の略で、立て看板や街頭ビジョン、交通広告などの屋外広告のことを指します。

OOHの特徴としては「認知の持続性が高い」点で、設置場所を生活圏内とするターゲットが繰り返し目にすることが大きな長所です。短所としては、一定期間は掲出場所を変えられないという点です。

4.  デジタルメディア

範囲の定義が難しいですが、ここではWeb広告をはじめ、コーポレートサイト、ECサイト、SNS、メルマガなどオンライン上で展開するメディアを総称して指します。

デジタルメディアの特徴としては、電子決済システムとの連携により、告知から販売に至る処理をワンストップで行うことが可能になっている点です。また、インターネット上での購買行動に関するデータを蓄積することにより、詳細なマーケティングデータを蓄積することも可能です。

Web広告の特徴についていうと、他媒体と比べて配信エリアやターゲットのセグメントを詳細に設定できるので予算を効率的に使うことが可能ですが、マス広告と比べると(一部のバズる広告以外は)知名度を爆発的に向上させるということには向いていません。

5.  リアルイベント

イベントをはじめとするリアルな場での施策は、深くて濃いコミュニケーションが出来る一方、その情報を届けられるのは“イベントに来場できる人”だけと限定的で、「深さはあるけどリーチが狭い」というのが特徴です。

ただ、近年はSNSなどをはじめとしたデジタル上でのコミュニケーションが活発化していることもあり、イベントの弱点をSNSでうまく担保している事例も増えています。

クロスメディアにおける媒体組み合わせ例

主な媒体別の特性を把握したら、次は組み合わせの例をいくつか見ていきます。

  • チラシ折込・DM→Webサイト→資料請求or来店促進

チラシやDMからWebサイトへ誘導し、資料やカタログ請求に繋げる方法です。この手法が特に有効となりやすいのが、地域密着型企業や来店型店舗(フィットネスクラブや英会話教室、エステなど)です。

チラシやDMでWebサイトに誘導し、特典を用意した上で資料請求やカタログ請求に繋げ、直接来店を促すと効果的です。

  • テレビCM→Webサイト→資料請求

Webサイトに対して、テレビCMを使って集客し、資料・カタログ請求に繋げる方法です。

不動産や住宅、有料老人ホームなど、顧客単価が高く、契約前に複数情報を集める商材の場合はテレビCMで広く認知を取って資料請求までの方法を知らせることが重要なので、一度に広いリーチが取れるマス広告が有効です。

ただし、マスメディアを使うと広告コストが高くなるので、自社商材・サービスがテレビCMに見合った内容なのかは吟味する必要があります。

  • 交通広告→Webサイト・SNS→資料請求or来店促進

OOHの中でも、電車やバスのつり革広告や中吊り広告といった交通広告からWebメディアに繋げる方法です。通勤や通学中に複数回目にする交通広告で認知を取り、詳細を手元の携帯電話・スマートフォンで見てもらう導線です。交通広告で認知を取るので、地域密着の企業やビジネスと相性が良いクロスメディア手法です。

予算と目的に見合ったプランニングを!

クロスメディアマーケティングは決して難しいものではありませんが、それぞれに発生するコストが異なるため、予算を比較しながら戦略立案していくことが大切です。

「予算に見合った媒体がわからない」「クロスメディアマーケティングの戦略を一緒に立てていきたい」などの際は、ぜひ弊社にご相談ください。