こんにちは。第一エージェンシーのデジタルマーケティングブログ担当です。
今回は、企業WEBサイトやECサイトなどで急速に導入が進んでいる「チャットボット」について、お話ししたいと思います。
チャットボットの広がり
最近の企業WEBサイトやECサイトを見ると、画面右下あたりにその画面上で問い合わせができるチャットボット画面が表示されているケースをよく目にします。なぜ、これほどまでにチャットボットを導入する企業が増えているのでしょうか?
お客様の立場に立ってみると、今までであれば、サイト内のFAQページを探すか、そこで回答が見つからなかった場合には、サイト内のお問い合わせフォームや、電話やメールなどで問い合わせするような流れでした。実際には、FAQページでは目的の回答が探しづらかったり、掲載されている回答が古かったりと、不便を感じるケースも多かったのではないかと推測されます。おそらく皆さまも一度は不便を感じられたことがあるのではないでしょうか。
チャットボット普及の初期段階では、利用者が目的の回答を探しやすくなる便利なツールとして普及し始めたのですが、実際にチャットボットを導入した企業から「お問い合わせ対応の工数を削減できて、業務改善に繋がった」という声が多く聞かれるようになったため、急速にチャットボットの導入が広がってきました。
チャットボットとは? その導入メリットは?
そもそも「チャットボット」とは、「Chat(会話する)」+「Bot(ロボット)」の造語です。WEB上で利用されるケースが大半となっているため、「Chat」については「声で会話する」というよりは「文字で会話する」というイメージが近いでしょうか。
では、なぜこのチャットボットの導入が注目されるようになってきたのでしょうか? 導入企業側の視点で見ると、その理由として以下の理由が挙げられるかと思います。
- 業務効率の改善(人員削減)
- AI(人工知能)の活用による回答精度の向上
- 非接触でのコミュニケーション手段の確保
1.業務効率の改善について
以前より、企業の窓口部門では、「お客様からの問い合わせをいかに効率良く対応するか」が課題となってきました。実際、前述の通りFAQを用意し、そこでの問題解決を促してきましたが、問い合わせ件数を大幅に減らすには至らず、効果的な施策とは言い切れませんでした。
ところが、スマホが普及しSNSの利用が一般的となった昨今、文字で会話ができるプラットフォームを好まれる傾向が強まり、お客様からの問い合わせでもその傾向が強まってきました。
チャットボット導入の主なメリット
利用者側のメリット | 企業側のメリット |
---|---|
・スマホから簡単に問い合わせができる ・FAQよりも知りたいことが探しやすい ・わざわざ電話しなくて済む ・かしこまったメールを書かなくて済む | ・電話やメールの件数を減らすことができる ・お客様自身で解決できるケースが増える ・作業工数は従来のFAQ作成と大差がない(AIの場合はむしろ減らせる) |
2.AI(人工知能)の活用
従来のFAQで課題となっていたのが、コンテンツの鮮度と精度です。
最初に作成した状況から内容が更新されていないという企業も多く存在しますし、逆に頻繁にアップデートするため、多大な工数を割いている企業も存在します。その課題を解決するために注目されているのがAI(人工知能)です。
AIを搭載することで、文字で入ってきた質問を自動で分析し、より精度の高い解答をもたらしてくれるようになります。つまりはコンテンツの鮮度も高い状態を保つことができ、人の手を介する必要がないため、作業効率も格段に向上します。
3.非接触でのコミュニケーション手段の確保
さらに昨年の新型コロナウイルスの影響により、外出自粛が余儀なくされ、対面での営業や接客が厳しくなりました。特に、自治体の窓口などでは、新型コロナの影響によりお問い合わせが増える中、お客様と対面せず問い合わせにどう対応するかが喫緊の課題となっておりました。
実際、分からないことがあれば自治体のWEBサイトを閲覧する人は多く、できるだけその方々を(窓口まで来なくても)WEBサイト上で課題解決に導くことが出来るようにとの思いもあり、早期導入に至った自治体が多いようです。
一方で、販売系の企業では、新型コロナの影響でお客様の来店が厳しくなり、その中でどうやってお客様とのコミュニケーション(商談機会)を作っていくかが課題となっておりました。その中で、チャットボットで問い合わせしてきたお客様をいわゆる“見込顧客”と位置付けて、その方をフォローすることで販売に結び付ける手法も取り入れられるようになりました。
こうやってみると、チャットボットを導入することでのメリットは多く、かつ非常に企業に大きなメリットをもたらすものだと実感させられます。併せて、先述の通り利用者側もメリットが多く、お互いに必要なツールと言えるでしょう。
チャットボットの種類
では、現在どのような種類のチャットボットが存在するかご存知でしょうか? 大きく分けると、以下の3パターンに大別されます。
- シナリオ型チャットボット(AI非搭載型)
- 人工知能型チャットボット(AI搭載型)
- ハイブリッド型チャットボット
1.シナリオ型チャットボット(AI非搭載型)
シナリオ型チャットボットは、画面上に選択肢が表示され、その中からお客様が選んだ選択肢に沿って会話が進む形のシステムです。その選択肢に沿ったコミュニケーションを繰り返すことで、チャットボットが機能し回答を提示する流れです。
企業側としては、分岐させるロジック(チャートのようなもの)と、それぞれの回答を用意する必要があります。もしFAQをすでにお持ちであれば、それをアレンジしてシナリオを作ることができますので、低コストでスピーディーな導入が可能になります。一方、タイムリーなデータ更新を行わないと同じ回答が続くため、鮮度や精度に課題が残ります。
2.人工知能型チャットボット(AI搭載型)
人工知能(AI)を搭載していることから、学習機能を有しています。すでにお持ちのQAがあれば、それを事前にインプットする必要があります。ただし、それ以降は随時入ってくるQAが自動でインプットされ、学習を繰り返すことでより広範でより精度の高い回答が提供できるようになります。
強みとしては、人手を介することなく、AIが自動で学習してくれるため、データ更新作業が不要です。弱点としては、最初から高精度な回答ができるわけではなく、QA対応を重ねていくことで精度が徐々に高まっていく仕組みのため、開始当初のレベルがあまり高くないことです。
3.ハイブリッド型チャットボット
両方の良い点を組み合わせた(弱点を補強した)のが、ハイブリッド型チャットボットです。お客様からの質問が多岐に渡る場合や、お客様の前提条件により回答が変わる場合などに、ハイブリッド型チャットボットが適していると言われております。
入り口ではシナリオ型でお客様を誘導し、その先は人工知能型で高精度な回答を蓄積し、準備することができる強みがあります。ただし、両方の機能を兼ね備えているがゆえに、前述の二つのチャットボットよりも費用が割高になってしまいます。
以上がチャットボットに関するおおよそのタイプ分けになります。チャットボットがどのようなもので、導入することでどういったメリットがあるのかについて、ご理解いただけましたでしょうか。
当社では、様々なチャットボットベンダー様をご紹介し、導入のご提案やご支援をすることも可能ですので、チャットボット導入に興味をお持ちのお客様がいらっしゃれば、ぜひお声掛けください。